
いま、森と里で起きていること
かつて、薪や薪をとるために人が山に入り樹木の手入れをする暮らしがあった。
里では米や野菜をつくり暮らしの糧としてきた。
山の変化。 里の変化。
日本全国、計画造林により、建材目的の針葉樹林に。
生物多様性の無いモノカルチャーの森は脆弱。
野生動物はエサを求め、里に移動。
里は、高齢化をむかえ、田畑を放置。
里が荒れる頃には、手が打てなくなっていた。
野生動物だけが悪者なのか?
人と野生動物の生活環境の変化がお互いの生活圏を近づけた。
畑の豊富な栄養源によって繁殖力を増した野生動物は里に入り込み「獣害」として忌み嫌われる。
農家は荒らされた畑によって耕作意欲を失い、さらに耕作放棄地が拡大する悪循環。
命をいただく。命を活かす。
我々、猟師は、シカやイノシシを狩猟、捕獲する。
けれど、野生動物も生命を授かり生きている。
お互い命を守るため、野生動物の命を奪うだけでなく森にかえし、野生動物と人の住み分けをする。
そして、野生動物の命を奪った時はその命を無駄にしないよう、「食」を通して人の命に役立てる。
人の命の営みが、森を育て活用する源にもつながる。
新しい循環を生み出したい。
命を護るために、森守がやりたいこと。
野生動物の対策には、管理、対策、活用を同時に進めることが重要。
しかし、現実はいただいた命を活かすことなく、多くを廃棄している。
森守は、野生動物の命を活かすために野生獣肉処理センターを建設し、
食肉として流通させることで農家の耕作被害を減らし、猟師の暮らしを支えていく。
それは、里や山、森を再び豊かにすることにつながっていく。
そして、次の世代に故郷となる伊豆の山や海を渡していく。
次の世代を育てることこそが、
荒れてしまった山や里、川、海へとつながる自然の循環を再び動かす原動力となると信じている。