南伊豆町にあるユウスゲ公園はまだユウスゲが見頃である。夏に咲く桔梗やオミナエシも咲き始めてきた。
万葉集の中に「朝顔は、朝露負(お)ひて、咲くといへど、夕影にこそ、咲まさりけり」とある。意味は、朝顔は朝露を浴びて咲くというけれど、夕方の薄暗い光の中でこそ輝いて見えるのです。ということのようだ。この万葉集に出てくる朝顔はヒルガオ科のアサガオとは違います。当時は朝に咲くきれいな花を「朝顔」と呼んだようです。本来私たちが知っている朝顔は遣唐使(奈良時代〜平安時代)が薬草として持ち込んだんものだと言われています。では、万葉集でいう朝顔とはなんだろう?
この時代の朝顔とは野山に自生していた「桔梗」だと見るのが正しいようです。現にユウスゲ公園にはユウスゲの中に自生の桔梗が咲いています。桔梗の青とユウスゲのレモンイエローのコントラストが素晴らしいです。
そんな美しい光景も無残にも踏み荒らされてしまった。おそらく写真をとるために園地内ロープを跨ぎ侵入しアングルの良い位置まで入り込んだのだろう。もう、10年以上ユウスゲの時期以外もここに通うが初めての出来事である。多くのお客さんが入っている中で無残な姿に悲しくなってしまった。茅だから良いと思ったのか踏み荒らされ中にはユウスゲやオミナエシも入っていた。茅はユウスゲや他の植物を強い風から守っている。だから、茅だからは通用しない。
二度とこんなことが起こらないように注意看板の設置なども検討しないいけない事態になるのは非常に心苦しいが仕方ないのか。自然は守るものがたくさんあるということをもう一度考えていただきたい。